請求画面が出てきて操作ができなくなってしまった
認知度こそ低いが、感染すると非常に危険なランサムウェア!

前項の『エロ動画の再生ボタンを押したらアダルトサイトの請求画面が出てきて消えない』では、
請求画面が消えない場合の対処法についてご説明させていただきました。

日本人を狙う請求画面

図1.ランサムウェアによる請求画面
掲載画像:シマンテック公式ブログ(http://www.symantec.com/connect/ja/blogs/torlocker
請求画面が消えない、いわゆるワンクリック詐欺の他に、
近年、国内では「ランサムウェア」による被害が相次いでいます。
多くの人にとってあまり耳にしたことがないランサムウェアだと思いますが、「ランサム(ransom)」というのは英語で「身代金」という意味がある悪質なソフトウェアです。
その為、ランサムウェアは身代金要求ウィルスなどと呼ばれることがあります。
実際にIPA(情報処理推進機構)が2014年10月に実施した調査でも、ランサムウェアを
知っている人は約2割程
で、まだ日本では耳馴染みのないウィルスでもあります。
このランサムウェアに感染してしまった場合、図1などのような請求画面が出てきて
デスクトップが固まってしまったり、操作ができなくなったり、ファイルを暗号化させて
ファイルを開けなくなったりなど、パソコンを使用する上で非常に悪影響を与えます
パソコンが人質にとられてしまい、上記の制限などの解除と引き換え
お金(身代金)を支払うよう要求してきます。
お金を支払えと要求してきますが、実際に払っても再びパソコンの操作ができるようになる、
ファイルが元通りになる、データが戻ってくるなどの保証は一切なく、お金だけ取られてしまう
可能性
もあります。
ソフトウェア会社のSymantec(シマンテック)でも
けっして身代金を支払ってはいけない」と注意を促しています。
ランサムウェアの脅威はパソコンだけに留まらず、端末内のファイル、USBメモリ、
外付けハードディスク、スマホのSDカードのファイルなどにも暗号化する危険性もあります。

偽のAdobeFlashPlayerインストーラーページの画像

図2.偽物のAdobe Flash Playerインストーラページ
掲載画像:シマンテック公式ブログ
http://www.symantec.com/connect/blogs/flash-player
ランサムウェアの感染経路は、Eメールメッセージに添付されているファイルを開いた場合や、
Eメールメッセージ、インスタントメッセージ、ソーシャルネットワークサイト、
その他WEBサイト上のリンクをクリックした場合に感染する危険性があります。
また、中には図2のように偽のAdobe Flash Playerインストーラページから
ランサムウェアをインストールさせることもあります。
偽のAbode Flash Playerインストーラページは、右上に「手順1/3」などがなかったり、
ところどころおかしな日本語で説明文が記載されていたり、ページ中部にあるはずのMcAfeeの
インストールがなかったりします。(McAfeeインストール済みの方は表示されない場合あり)

ランサムウェア対策

ランサムウェアに感染し、暗号化されてしまったファイルなどの復元は困難であるため、
ランサムウェアに感染しないように予防・対策を行うことが大切です。
OSやソフトウェアを最新の状態にする
OSやJava、ブラウザ、Adobe、Flashなどのソフトウェアの
バージョンを常に最新の状態にしておきましょう。
古いバージョンを使用していると、ウェブサイトを表示するだけで感染する危険性があります。
また、OSやソフトウェアは自動更新するように設定しましょう。
IPAが提供している『MyJVNバージョンチェッカ』を使用し、
ソフトウェアのバージョンを確認することをおすすめします。
フリーソフトなので、無料で使用することができますし、使い方もきちんと記載されています。
【MyJVNバージョンチェッカ】http://jvndb.jvn.jp/apis/myjvn/vccheck.html
(別ウィンドウでサイトが開きます。)
ウィルス対策ソフトをインストールする
ウィルス対策ソフトをインストールし、常に最新の状態のものを使用しましょう。
Microsoftの無料でインストールできるサイトのリンクを貼りましたので、ぜひご活用ください。
【Microsoft Security Essentials】
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/security-essentials-download
(別ウィンドウでサイトが開きます。)
重要なファイルなどはこまめにバックアップをする
仕事で使用する重要なファイル、万が一消えてしまうと非常に困る
ファイルなどはバックアップを取りましょう。
外付けハードディスクやUSBメモリ、Dropboxなどのクラウドサービスなど
複数の場所にバックアップすることが大切です。
ただ、外付けハードディスクやUSBメモリは常時接続するとランサムウェアに感染した場合、
一緒に被害を受けてしまう可能性があるので、常時接続は避けるようにしましょう。
感染してしまった場合
万が一、使用しているパソコンがウィルスに感染してしまった場合や、感染している可能性がある場合はスキャンを行い悪質なソフトウェアなどを削除しましょう。
Microsoftの無料で使用できるスキャナーのリンクを貼りましたので、ぜひご活用ください。
ただ、ダウンロードしてから10日間の期限があり、ダウンロードした場合のご使用はお早めに。
【Microsoft Safety Scanner】
http://www.microsoft.com/security/scanner/ja-jp/default.aspx
(別ウィンドウでサイトが開きます。)

ランサムウェアはパソコンだけじゃない!スマホに感染も!

ランサムウェアの脅威はパソコンに対してだけではなく、
Androidなどのスマホに対しても同じです。
ただ、Androidの場合は、パソコンとは違い、突然感染することはありません。
犯罪者は私たちユーザーにアプリをインストールさせ、
それと一緒にランサムウェアもダウンロードさせるのです。
この私たちにインストールさせるアプリは、
Porn Droid」という名前のアダルトビデオのストリーミングアプリです。
スマホの場合、パソコンよりも個人情報が入っていることが多く、誰もが持てるスマホだから
こそ、ランサムウェアに対して知らない人が多いのが現状
です。
もし、スマホが感染してしまったら非常に怖いですよね。
ただ、Androidの場合、悪質なソフトウェアは
Google Play Storeからはダウンロードすることができないのです。
ですので、Google Play Storeでインストールできるアプリであれば安全、と言えます。
逆によくわからない所からアプリをインストールしてしまったり、
インストールを許可しているアプリだと危険を伴う恐れがあるので注意しましょう。
無料で動画が見れる」などの広告にはパソコンを使用している方だけではなく、
スマホを使用している方も気を付けることが大切です。
また、AndroidのアプリよりもiPhoneのアプリの方が審査基準は厳しい為、
iPhoneの方が安全性が高くなっています

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